マインドフルネス瞑想に似たものにヴィパッサナー瞑想がある。
今回はヴィパッサナー瞑想に焦点をあてて書いていく。
ヴィパッサナー(vipassanā)瞑想は、「観察する」を意味する。
ヴィパッサナーは「物事をあるがままにみる」という意味もある。
ヴィパッサナー瞑想では、全身の感覚を観察することを行っていく。
ヴィパッサナー瞑想は「気づき続ける瞑想」だ。
ヴィパッサナー瞑想について
ヴィパッサナー瞑想はインドに古くからある瞑想法のひとつだ。
今から約2,500年前にゴータマ・ブッダ(釈迦ともいう)によって発見された。
- この世のすべては移り変わり、変化するもの。(諸行無常)
- すべては互いに影響を及ぼしあう因果関係の中で生きている。(諸法無我)
- 苦のない悟りの境地。あらゆることに一喜一憂することなく安定した心の状態。(涅槃寂静)
この釈迦の3つの教えを、頭で理解するのではなく、体験を通して学んでいくのがヴィパッサナーだ。
だが、誤解しないでほしいのは、ヴィパッサナー瞑想は宗教や病気の治療法ではないということ。
ヴィパッサナー瞑想を行う前に、アナパナサティ瞑想を行う。
アナパナサティ瞑想とは
アナパナサティ瞑想とは、鼻の呼吸のみに意識を集中させる瞑想だ。
吸う息(アーナ)と吐く息(アパーナ)に気づく(サティ)瞑想
全身に意識を集中させるヴィパッサナー瞑想の前に、鼻呼吸だけに
意識を集中させることによって、一点集中の能力を高める目的がある。
アナパナサティも他の瞑想と同じく、流派や指導者によって若干
やり方が違うことがある。
アナパナサティ瞑想のやり方
静かに落ち着ける場所を選び、静かに目を閉じて、
楽に座れる好きな坐法で座ろう。
背筋はまっすぐに伸ばし、腕を自然におろし
お腹の前か、太ももの上なら手のひらを上か下向きに置く。
体はリラックスした状態を保つようにする。
鼻の穴の下に意識を向けて、鼻呼吸で深呼吸をする。
自分の自然な呼吸をあるがままに観察する。
サティ(sati)とは、「心に常に留めておくこと」である。
サティは、「気づき」や「念」、「マインドフルネス」
などとも訳される。
鼻の下にサティを置き、「吸ったり吐いたり」する呼吸を
鼻の下で感じ続ける。これをサティすると呼ぶ。
ヴィパッサナー瞑想のやり方
(基本)
静かに落ち着ける場所を選び、自分が楽に座れる坐法で座る。
背筋はまっすぐに伸ばし、両手はお腹の前で組むか、膝の上に置く。
体の内側に起こる感覚を、あるがままにじっと観察する。
ヴィパッサナー瞑想は、いつでもどこでも行える瞑想だ。
座ったままでも、歩いていても実践できる。
ポイントは3つ。
- ゆっくり行う
- 実況中継をする
- 感覚が変化するのを気づき続ける
例えば、歩いて瞑想するときは、「右足を踏み出した」
「かかとを地面につけた」など心の中で気づきを
実況中継するように確認していく。
心の中で感じている感覚や感情も、気づき(サティ)する。
過去に、マインドフルネス瞑想について書いた記事も参考までに。